【2025年版】ネイリスト技能検定1級の内容やスケジュールとは?3Dアートのパターンや合格率なども紹介
資格
ネイリスト技能検定1級は、ネイリストとしてキャリアアップしたいのであれば合格しておきたい試験です。実技試験の3Dアートは難関といわれていますが、独学での合格は本当に難しいのでしょうか。
そこでここでは、ネイリスト技能検定1級について解説します。試験内容や審査基準のほか、合格率にもフォーカス。受験するときの注意点や減点・失格対象もあわせてお伝えします。
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「ネイリスト技能検定1級」とは?
ネイリスト技能検定1級とは、トップレベルの総合プロネイリストを目指す試験です。ネイルケアに加え、施術のなかでは難易度の高いネイルアートに関する基本的な技術と知識が問われます。
なお、2級に合格していなければ1級は受験できません。
合格していれば就職に有利にはたらくだけでなく、特別な資格手当がつくネイルサロンもあるのがネイリスト技能検定1級です。
独立や開業などのキャリアアップに大きく味方してくれる上、お客様からの信頼もひとしおでしょう。
ネイリスト技能検定1級の試験内容
ネイリスト技能検定1級も2~3級と同様、実技・筆記試験の2つがあります。実技試験は50点満点中38点以上、筆記試験は100点満点中80点以上の合格ラインも変わりません。
実技試験はネイルイクステンションとネイルアートを計150分で行います。2級のようにインターバルはありません。試験前には、テーブルセッティングと消毒管理、モデルの爪もしくはJNEC認定モデルハンドの状態をチェックする10分間の事前審査も行われます。
実技試験のおおまかな内容としては、手指消毒とサンディングを済ませた7本の指にイクステンション、1本にミックスメディアアートを施していきます。
イクステンションではアクリル用材のミクスチュアで人工爪をつくるスカルプチュアネイルと、フリーエッジもしくはネイルプレートの上に装着したチップの上から人工爪をつくるチップ&オーバーレイの2段階構成です。
ネイルアートではプレスオンチップ(ナチュラルのみ)をスクエア・オフに整え、ベースコートとカラーポリッシュを塗布し、カラーリング・フラットアートの上にはトップコートを塗っていきます。
また、筆記試験は、マークシート形式の択一問題(40分)です。試験時間は2級より5分拡大し、内容には「イクステンションの手順」や「プロフェッショナルリズム」といった実技試験と難易度に伴う範囲が追加されます。※
※2024年春季(4月)実施の試験内容を参考にしています。
http://www.nail-kentei.or.jp/kentei/pdf/youkou_01.pdf
ネイリスト技能検定1級の審査基準
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)では、各級の審査基準として実技採点基準を公開しています。
現在公開されている実技採点基準のチェックポイントは、以下の10項目です。
現在公開されている実技採点基準のチェックポイントは、以下の10項目です。
- 1 スタイリング(スクエア・オフ):中心から見て左右対称に仕上がっていること。など
- 2 ハイポイントの位置:ハイポイントの位置が不自然でないこと。など
- 3 フリーエッジの長さ 厚みの均一性:厚さは均一で、イクステンション7本の長さはバランスがとれていること。
- 4 強度と耐久性:サロンワークに適した、日常生活に対応できる程度の強度と耐久性があること。
- 5 Cカーブ20~30%:20%~ 30%のCカーブを維持し、均一であること。
- 6 キューティクルラインのスムーズさ:キューティクル際に厚みの段差がなく、適度な薄さであり、スムーズであること。など
- 7 表面の仕上がり 光沢・気泡の状態:表面に凹凸やバブル(気泡)がない等、スムーズな仕上がりであること。など
- 8 チップの装着状態(チップオーバーレイ、ミックスメディアアート含む):適切なサイズのチップを正しく装着されていること。など
- 9 イクステンションTOTAL:イクステンションの技術を総合して全体の完成度が高く、モデルの手または認定モデルハンドの扱い方が丁寧で効率的であること。また、器具の使い方が正しく、手際よくリズミカル・スピーディであること。など
- 10 ミックスメディアアート:3Dアートをメインアートとし、フラットまたはエンボスを組み合わせた仕上がりであること。など
なお、ネイリスト技能検定2級では工程審査が含まれるポイントもありましたが、1級では仕上がりに関わるチェックポイントがほとんどです。
より高い完成度を目指し、レッスンを積むことが重要となってくるでしょう。
ネイリスト技能検定1級の合格率は?
ネイリスト技能検定1級の合格率は、2023年秋期までの累計で39.22%。受験者数157,428人のうち、合格者は61,751人です。
※参照:http://www.nail-kentei.or.jp/about/about.html#05
ちなみに、2023年秋期の合格率は52.1%で、2,948人の受験者数に対し、合格者は1,535人でした。近年では合格率が平均を上回る傾向にあるものの、受験者数の累計が2級の半数以下なことから見ると、挑戦するのを前に諦めてしまう人も多そうです。
【ネイリスト技能検定1級の合格が難しい理由】
ネイリスト技能検定において、最も合格率が低いのが1級です。何度も受験する覚悟を持って挑まなければならないといわれていますが、その理由をご存じでしょうか。
合格が困難な理由としては、先述の通り、仕上がりを重視されることと、150分の実技試験時間のなかで複数の施術をこなさなければならないことがあげられます。
すでにサロンで働いていたとしても、ネイルイクステンションと3Dアートを通しで施術する機会はあまりないでしょう。そのため、サロンワークより高い技術力と手際の良さが求められるのです。
ネイリスト技能検定1級を受ける時の注意点
ネイリスト技能検定1級はただでさえ合格しにくいため、ケアレスミスは必ずなくしておきたいもの。ちょっとした失敗で減点や失格になってしまっては苦労が水の泡です。
そこで次に、ネイリスト技能検定1級を受ける時の注意点を確認しておきましょう。
【「施術する指間違い」による失格に注意】
ネイリスト技能検定1級を受験するにあたり、一つの難関が施術する指を間違えないようにするということ。
手指間違いはすべての級において失格対象となりますが、施術の内容がスカルプチュアネイルとチップ&オーバーレイ、ミックスメディアアートと3分野に分かれる1級は混同してしまいがちです。
それぞれ施術する指とアートの色、そしてテーマは2級同様、日程によって指定が変わってきます。事前にきっちり確認し、間違えないよう頭に叩き込んでおきましょう。
また、ネイリスト技能検定1級のみに設けられた「プレスオンチップにカラー塗布、装飾がすでにある」「イクステンションにラメ入りまたはホワイト、カラーパウダーを使用」も失格対象となっているため、あわせて注意してください。
【減点されない対策を徹底する】
ネイリスト技能検定1級の減点対象は、3級と同様です。2級ほど多くはないものの、難易度を考えるとちょっとした減点が命取りになりかねません。
受験票や筆記用具忘れ、用材やテーブルセッティングの不備、マナー違反や私語が多い場合をはじめ、施術では内容間違いやモデルもしくはモデルハンドへのダメージによる減点には十分配慮しながら試験を進めていきましょう。
【期限内の申し込みを行う】
ネイリスト技能検定1級は2~3級と違って、春期と秋期の年2回のみの開催です。申込期限を過ぎてしまうと受験できないのはもちろん、次の受験が半年先になってしまいます。
申し込みの期限は、試験日に対しておおよそ1カ月半前まで。Webから申請できるため、忘れないうちに申し込んでおきましょう。
なお、申し込みは受験料の支払いをもって完了となります。支払期限である3日以内に支払わなければ無効となってしまうため、登録後は速やかに支払っておきましょう。
2025年のネイリスト技能検定1級スケジュール
2025年のネイリスト技能検定1級の試験スケジュールは以下の通りです。
■春期:2025年4月12日(土)/申込期間:2025年2月1日(土)~2月28日(金)/合否発表予定日:5月下旬
■秋期:2025年10月18日(土)/申込期限:2025年8月1日(金)~8月29日(金)/合否発表予定日:11月下旬
【持ち物を忘れない】
持ち物忘れは級を問わず、減点対象となっています。ネイリスト技能検定1級受験に必要な持ち物は、以下の通りです。
- ポリッシュ類(ベースコート・カラーポリッシュ・トップコート) ★
- ネイルブラシ
- アート用品(絵の具、筆、パレット)
- ファイル(ファイル立てに入れること)★
- ポリッシュリムーバー★
- コットン類(蓋付き容器を使用すること) ★
- 消毒剤(消毒用エタノール、またはその他の消毒液)★
- ウェットステリライザー(消毒剤で変質する容器は使用不可) ☆★
- キューティクルニッパー ☆
- メタルプッシャー ☆
- ウッドスティック ☆
- ピンセット ☆
- トレイ
- フィンガーボール
- ガーゼ
- タオル
- ペーパータオル(アームレスト手前の施術スペースを覆うサイズをセットすること)
- アームレスト(ペーパータオルで巻くこと)
- ゴミ袋
- ネイルチップ(イクステンション用・ネイルアート用)
- アクリルリキッド ★
- アクリルブラシ
- アクリルパウダー ★
- カラーパウダー
- ネイルフォーム
- グルーorレジン ★
- ダッペンディッシュ
- ブラシクリーナー
- Cカーブ用スティック ★
- ケア用水
- アート用水
☆…テーブルセッティングでは、キューティクルニッパー・メタルプッシャー・ウッドスティック・ピンセットの4点を、コットンまたはガーゼを底に敷き消毒用エタノール等をキューティクルニッパーの刃先が浸る程度入れたウェットステリライザーに、刃先を下にして入れておく必要があります。
★…ポリッシュ類をはじめとする用具・用材には、品名ラベルを貼りつけておくのがルールです。もし欠けていると減点対象になってしまうため、揃える際に見ておきましょう。
ネイリスト技能検定1級合格を目指す方法
ネイリスト技能検定1級に合格するには、プロのネイリストであることはもちろん、知識と技術のマスターが求められます。
そこで最後に、ネイリスト技能検定1級合格に近づくための方法をお伝えします。
【タイマーで計って長丁場に慣れる】
ネイリスト技能検定1級は、インターバルなしの計150分間の実技試験が肝です。長丁場に慣れておくことも踏まえ、タイマーを使ったレッスンに重きを置きましょう。
各流れのおおまかな時間目安としては、以下の通りです。
- 手指消毒・プレパレーション…約5分
- チップ&オーバーレイ…約15分
- スカルプチュアネイルのアプリケーション~ウォッシャブルファイル…約90分
- スポンジバッファ~シャイナ…約15分
- ネイルチップのプレスオン~ベースカラー塗布…約5分
- ミックスメディアアート…約20分
一通りの工程をすべて少し早めに終えて、最終チェックに3~5分ほどかけられるとベターです。より高い仕上がりを追求し、完成度を上げられるよう努めましょう。
【適切なモデルを選ぶ】
150分にもわたるネイリスト技能検定1級の実技試験では、同行するモデルの検定への理解度も問われます。
まず、長時間のスケジュールを空けておいてもらわなければならず、減点対象となる度を超えた私語や遅刻にも配慮してもらわなければなりません。
さらに、モデルの爪の状態も減点対象に入っています。試験当日は、規定に背く不健康な爪にならないよう努めてもらわなければなりません。
ネイリスト技能検定1級をスムーズに受験したい場合、検定をよく知る人物にモデルをお願いすると良いでしょう。
【施術の癖をなおしておく】
ネイリスト技能検定1級において、合格を揺るがすのが施術の癖です。1級を受験するともなると、2級に合格していることもあり、ある程度の技術が身についているでしょう。
慣れが出てきた頃に出始めるのが、自分ならではの癖です。
施術の癖がプラスの方向にはたらくのであれば問題ありませんが、もしかすると減点対象になってしまうかもしれません。
特に用具の使い方は癖が出やすいため、検定に詳しい人にチェックしてもらうか、今一度基礎をおさらいしてみましょう。
【ネイルスクールに通う】
ネイリスト技能検定1級に合格したいなら、ネイルスクールに通うのが最も有力といえます。難易度の高い施術が要求されるうえ、細かな仕上がりまで審査されるため、まったくの独学で合格を勝ち取るのは非常に困難です。
日本ネイリスト協会の副理事長が学院長を務める「キャリエール ネイルスクール」には、ネイリスト技能検定試験1級に対応する知識と技術が学べる「ネイリスト1級・上級コース」があります。
ゆくゆくはネイル認定講師も目指せるカリキュラムで、合格に必要なイクステンションの上級技術や3Dアートの習得が可能です。
最短2か月・標準1年程度の受講期間が設けられていますが、万が一不合格でも合格するまで無料でサポートが受けられる保証制度も整っています。
ネイリスト技能検定試験1級合格でトップネイリストの仲間入りを
ネイリスト技能検定試験1級は、一発合格が難しいといわれる高難度の試験です。高い仕上がりと専門的な知識を必要としますが、合格すれば自宅開業だけでなくネイル認定講師になるのも夢ではありません!
多くのネイリストを輩出するキャリエールスクールでは、プロの講師が技術の進行状態を随時チェックし、自分では分からない不得意を管理しています。苦手分野を一つずつ克服し、トップネイリストの仲間入りを果たしましょう。
CARRIERE(キャリエール)ネイルスクールはJNA認定校です。校内にて定期的に検定試験を実施中!
■キャリエールの検定合格保証制度について、詳しくはこちらのページをご覧ください。
⇒【キャリエールネイルスクールの検定合格サポート】
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※キャリエールネイルスクールは、東京都内(新宿・立川)、神奈川県(横浜)のネイルスクールです。
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この記事の監修者
金子 実由喜