独立してネイルサロンを開業するためには?失敗しないための必要資金・資格・注意点まとめ
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独立してネイルサロンを開業するものの、失敗してしまうネイリストは少なくありません。なぜなら、資金や必要なものを十分に把握しないうちに行動してしまう人が多いためです。
そこでここでは、独立後のネイルサロン開業に知っておきたいことを解説。必要な資格や収入面、注意点など、ネイルサロン開業について広く具体的に知っておきたい方は要チェックです。
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ネイルサロンを独立して開くために必要な資格はある?
結論からいうと、ネイルサロンの開業に必要な資格はありません。そのため極端な話、サロン経験なしですぐにでも開業可能です。
ちなみにネイリストの独立に要する平均的な期間は、約5~7年といわれています。とはいえ、個々人により異なり、先述したように最初から独立開業される方もいます。
ただし、ネイルサロンを開業できても、お客様が来てくれないのであれば経営は成り立ちません。開業のための資格はないけれど、以下のようなお客様の信頼につながる資格は取得しておくほうが良い、と覚えておきましょう。
【JNA認定ネイルサロン衛生管理士】
サロンワークで必要に迫られることは少ないものの、独立して開業するなら取得しておきたいのが「JNA認定ネイルサロン衛生管理士」です。
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)による資格で、取得しておけばネイルの施術において衛生管理が行き届いている証明になります。
近年、ネイルサロンの衛生管理については度々疑問視されており、厚生労働省からも「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指標」が発表されました。取得すると認定証とバッジが授かれるうえ、身につけた衛生管理の知識を自らの手で活かせるでしょう。
■あわせて読む
『ネイルサロン衛生管理士の資格が重要な理由!ネイリストとして資格を取るメリットとは』
【JNAジェルネイル技能検定試験】
より多くのお客様のニーズを満たすために、合格しておくべきなのが「JNAジェルネイル技能検定試験」です。同じくJNAが主催する検定試験の一つで、合格すれば、ジェルネイルに関する技術と知識を習得している証明になります。
ジェルネイルのトレンドは未だ衰えていません。自分のサロンで堂々とジェルネイルのメニューを扱い、より多くのお客様に対応できるよう取得しておくことをおすすめします。
【ネイリスト技能検定試験】
独立・開業を目指す方はもちろん、プロのネイリストであれば合格しておきたいのが「ネイリスト技能検定試験」です。
内閣総理大臣が認めた公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が認証する検定試験で、ネイルの基本的な技術と知識を問う内容になっています。
初級・中級・上級と3つのレベルに分かれていて、難易度が高い上級もしくは中級を取得しておけば、ネイルに対する技術と知識を十分に習得している証明となるでしょう。
■あわせて読む
『ネイリスト資格の種類について|独学やネイルスクールなど取得方法のメリット・デメリットも解説』
独立してネイルサロンを開くパターン
独立してネイルサロンを開く場合、店舗型・自宅型・フランチャイズの3パターンから選択できます。いずれも開業にあたるため、管轄の税務署に「個人事業の開業届出」を提出することは変わりません。
届出は事業開始から1ヶ月以内に行わなければいけませんが、それさえクリアしておけば、あとはネイルの施術に必要なものが揃っていれば開業できます。
ただし、資金や流れにおいてはやや異なるため、パターンごとに確認してみましょう。
【店舗型のネイルサロン】
店舗型のネイルサロンを開く場合、資金目安の内訳は以下の通りです。
■初期費用(敷金・礼金・保証金):約100万円~
■外装・内装工事費:約300万円~
■インテリア・ネイル備品費:約40万~
■広告費:約5万~
店舗を借りてネイルサロンを開くには、まず店舗となる物件の契約が必要です。敷金や礼金にあたる初期費用は物件によって差がありますが、100万円ほどはみておくと良いでしょう。
物件の契約後は、必要に応じて外装と内装を整えていきます。インテリアやネイルの備品を揃えつつ、宣伝・広告を十分にうったら新規オープンの流れです。
【自宅型のネイルサロン】
自宅型のネイルサロンを開く場合、資金目安の内訳は以下の通りです。
■外装・内装工事費:約150万円~ ※場合によっては必要なし
■インテリア・ネイル備品費:約30万~
■広告費:約5万~
自宅をネイルサロン代わりにするなら、店舗型のように物件の契約は必要ありません。
さらに外装・内装の工事をかけず、手を入れなければ、お客様用のイスや施術テーブルといったインテリアとネイル備品の費用を合わせ、30万円ほどで開業できるケースもあります。
ただし自宅のため、広告にどこまで力を入れるのかは要検討です。
【フランチャイズのネイルサロン】
フランチャイズでネイルサロンを開く場合、資金目安の内訳は以下の通りです。
■初期費用(敷金・礼金・保証金):約100万円~ ※場合によっては必要なし
■加盟・保証金:約25万円~
■インテリア・ネイル備品費:約100万~
フランチャイズで開業するときは、本部との契約内容によって費用が大きく異なってきます。物件を本部が用意してくれるなら、初期費用は必要ありません。
自分で用意しなければならない場合でも、フランチャイズでは同モデルでの成功例があるため、比較的融資を受けやすいです。いずれにせよ加盟金と保証金、インテリアやネイル備品費は確保しておきましょう。
独立してネイルサロンを開くメリット
独立してネイルサロンを開くなら、先述の通り、多くの資金や手間が必要です。
その一方、自らの手で開業するメリットも複数あります。迷っている方はチェックしてみてください。
【収入を増やすチャンスがある】
ネイリストとして独立すると、軌道に乗れば収入アップにつながることがメリットのひとつ。開業のための資金やランニングコストはかかるものの、サロンの売上が自分の利益に直結します。
サロン勤めの場合、お客様の施術代がそのまま自分に還元されるケースはほとんどありません。経営のスキル次第では、収入を大きく増やすことも夢ではないでしょう。
【働き方が選べる】
働き方を自由に選べることも、独立してネイルサロンを開くメリットです。基本的にはサロンの営業時間や定休日を決められるため、プライベートに合わせて調整しやすく、結婚や出産、子育てとの両立も目指せます。
働く時間が明確に決まっているサロンワークに対し、自由度の高い働き方ができることは、独立の大きなメリットといえるでしょう。
【オリジナリティを出せる】
独立して開業する最大のメリットともいえるのが、自分のオリジナリティが出せることです。
営業時間や定休日はもちろん、サロンの方向性やコンセプトも決められます。自分が思い描く内装やインテリアを実現できるほか、自分の得意分野を活かしたメニュー構成にすることも可能。
完全オリジナルのネイルサロンを作りたい場合は、独立という選択になるでしょう。
【様々なお客様と出会える】
出会いが増えることも、ネイルサロン開業のメリットのひとつ。一人体制の場合はなおさら、ほぼすべてのお客様と深くつながれます。
サロンワークでは、他のスタッフが担当するお客様とそこまで交流する機会はないでしょう。ネイリストとしてより多くの人と関係を築きたいなら、独立後の開業を考えてみる価値ありです。
【自ら育成ができる】
独立してネイルサロンを開くと、ネイリストの育成に関われるというメリットもあります。教育方針やマニュアルの決定権もあるため、自分の目指す方向性に合わせて育成できるのが利点。
サロン勤めの場合、必ずしも教育できるわけではありません。施術のみならず、人材育成に力を入れてみたい方にも、開業は向いているでしょう。
独立してネイルサロンを開く際の注意点
ネイルサロンの開業にはメリットが多々ありますが、同時に注意点も複数あります。
資金面を含め、気を付けるべきポイントをおさらいしておきましょう。
【初期費用がかかる】
自分で一から物件を契約する店舗型は特に、初期費用がかかることは気に留めておかなければなりません。
また初期費用をまかなえたとしても、長期的なランニングコストを十分に見越していないと、早々に失敗してしまうケースもあります。
個人事業主のため、ローン審査が通りにくく、資金の調達がむずかしいことにも注意しましょう。
【自宅型は周辺に気遣わなければならない】
自宅型ネイルサロンを開く場合、周辺への配慮を忘れてはいけません。自宅であれば発生しないはずの人の出入りや話し声、ネイルマシンの音がすると、近隣住民の迷惑になるおそれがあります。
反対に、騒音や生活音がしやすい自宅の場合、お客様のリラックスタイムを妨げる可能性も。自宅をネイルサロンにしたいなら、環境が整っているかのチェックから始めましょう。
【集客方法を考える必要がある】
独立して開業後すぐは、集客に力を注ぐ必要があります。サロン勤めしていた頃に指名してくれていたお客様を引っ張れたとしても、一からのスタートで知名度が低いのは当然です。
オープン前からSNSで宣伝し、オープン後もブログなどでサロンの情報を発信して集客への意識を絶やさないようにしましょう。
【収入面が不安定になる】
ネイルサロンの開業において、収入のアップ・ダウンは隣り合わせです。お客様が来てくれると収入につながりますが、来てくれなければそのぶん収入も減ります。
さらに一人体制の場合、自分がケガや病気でサロンを開けられなければ、収入はゼロです。個人事業主で雇用保険にも入れず、傷病手当ももらえないことも念頭に置いておきましょう。
独立後のネイルサロン開業に失敗しないために
自分のネイルサロンを開くことは、ネイリストの大きな夢のひとつ。サロン経験なしでも開業できるうえ、必要な資格もなく、独立後はすぐにでも取りかかれます。
利益が直結するため収入アップが見込めるのがメリットですが、資金の見積もりが甘く失敗するケースも多いです。ランニングコストを含め必要なものをしっかり把握し、周辺環境や集客面など、多方面に気を配ると成功を目指せるでしょう。
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『ネイルサロン接客・運営に役立つ顧客心理5選!行動経済学の観点でアプローチする方法』
『ネイルサロン開業で失敗しやすい原因は?開業を成功に導くポイント紹介』
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この記事の監修者
金子 実由喜