
業務委託ネイリストのメリットと注意点|働き方の種類・収入相場・契約の流れを解説
仕事・キャリア
ネイリストの働き方には正社員やアルバイトのほか、近年注目される「業務委託」という形態があります。
業務委託とは、雇用契約ではなくフリーランスのように契約を結ぶスタイルのこと。自由度や収入アップの可能性がある一方、収入の不安定さや契約リスクが伴うことも。
そこでここでは、業務委託ネイリストの働き方の特徴やメリット・デメリット、収入の相場から応募から契約までの流れ、契約時に確認すべきポイントまで徹底解説します。

CONTENTS
業務委託ネイリストとは?
ネイリストの働き方を調べる際に多く検索されるのが「業務委託ネイリストとは?」という疑問です。
正社員やアルバイトと並ぶ選択肢として注目されていますが、仕組みや契約内容を正しく理解することが大切です。ここではまず、定義や雇用契約との違いを整理していきましょう。
業務委託の定義と仕組み
業務委託ネイリストとは、サロンと雇用契約を結ばず、業務委託契約を交わして施術を行う働き方を指します。給与制ではなく、成果に応じた報酬を得るのが特徴です。

代表的な契約スタイルには以下の2つがあります。
- 完全歩合制:サロンに所属して施術を担当し、売上の40〜60%程度を歩合として受け取る方式。サロンの集客力を活かせるため、比較的始めやすい。
- 面貸し(シェアサロン):サロンの席やスペースを借り、自分で集客したお客様を施術する方式。家賃のように使用料を支払い、それ以外の売上は自分の収入になる。独立志向の人に向く。
どちらのスタイルも、フリーランスに近い立場で働くため、自由度が高く、自分のキャリアやライフスタイルに合わせた働き方ができます。
雇用契約との違い
正社員やアルバイトの場合、固定給や時給制で収入が安定し、社会保険や福利厚生が整っています。
一方、業務委託ネイリストは収入が施術件数や売上に左右されやすく、社会保険などは自分で管理する必要があります。安定性よりも自由や成果に応じた報酬を重視する人に向いている働き方です。
業務委託ネイリストのメリット
業務委託という働き方は、安定性よりも「自由度」や「成果に応じた報酬」を重視したい人に人気があります。ここでは、業務委託ネイリストならではのメリットを具体的に見ていきましょう。
高収入を目指せる
正社員やアルバイトの場合、月のお給料は基本的に固定されています。
一方、業務委託ネイリストは施術人数や売上に応じて歩合で報酬が決まるため、頑張り次第で収入を伸ばすことができます。努力が収入に直結するので、やりがいを感じながら働けるのも大きな魅力です。
自由な働き方ができる
勤務日数や時間を自分で調整できるのは、業務委託ならではのポイント。子育てや副業との両立を考えている方にとっても柔軟に働けるスタイルです。
自分の生活リズムに合わせて働けるため、プライベートも大切にできます。
独立や開業の準備になる

業務委託は、自分でお客様を集めたり管理したりする経験が積めます。
将来自宅サロンを開業したい方にとっては、独立に必要な力を身につけられる実践の場となります。小さな規模から「経営の第一歩」を学べるのもメリットです。
自分のスタイルを活かせる
業務委託では、自分の得意なデザインや接客スタイルを活かしやすい環境があります。
リピーターを増やしながら、自分の「ファン」を作っていけるので、やりがいを感じやすく、長く続けやすい働き方です。
業務委託ネイリストのデメリットと対策
メリットが多い一方で、業務委託には注意点もあります。特に収入や契約面で不安を感じやすい部分があり、事前に理解しておかないと後悔につながることも。
ただし、対策を知って準備しておけば安心して働けます。ここでは代表的なデメリットと、その解決策を紹介します。
収入が安定しにくい
業務委託は歩合制のため、繁忙期と閑散期で収入が変動します。お客様が少ない時期は、正社員のような固定給に比べて不安定に感じることもあります。
■対策:リピーターを増やす工夫をすることが大切です。次回予約の提案やSNSでの発信を続けることで安定した集客につながります。
集客や顧客管理を自分で行う必要がある
自分で新規集客や顧客管理をしなければならない場合が多く、負担に感じる人もいます。
■対策:契約前に「サロンがどの程度集客をサポートしてくれるか」を確認しておきましょう。また、接客やマーケティングの知識をスクールで学んでおくと安心です。
社会保険や福利厚生がない
雇用契約ではないため、健康保険や厚生年金といった福利厚生が受けられません。
■対策:国民健康保険や国民年金に加入するほか、個人で損害保険に入っておくと安心です。働き方に合わせて必要な保障を選ぶことがポイントです。
契約やトラブル対応も自己責任

契約内容によって報酬や責任範囲が大きく異なります。曖昧なまま契約してしまうと、後でトラブルになる可能性もあります。
■対策:契約書をよく読み、不明点は必ず質問すること。特に「歩合率」「キャンセル時の対応」「契約解除の条件」は確認しておきましょう。必要に応じて専門家に相談するのも有効です。
業務委託ネイリストの収入相場と働き方の実態
業務委託ネイリストに関心を持つ方がまず知りたいのが「収入はどのくらい?」という点です。ここでは、一般的な相場とよくある働き方をご紹介します。
働き方のタイプ
業務委託にはいくつかのスタイルがあります。
- サロン常駐型:サロンに席を持ち、サロンのお客様を担当する。初心者でも始めやすい。
- 出張型:お客様の自宅やイベント会場などに出向いて施術する。自由度は高いが、移動の負担もある。
- 自宅サロン型:自宅の一室を使って施術を行うスタイル。コストを抑えて独立気分を味わえる。
- 面貸し(シェアサロン)型:サロンの席を借り、自分のお客様を施術。固定費はかかるが売上はすべて自分の収入になる。
収入モデルの目安
以下に、サロン常駐型(完全歩合制)と面貸し(シェアサロン型)での収入モデルの一般的な目安を挙げます。

- サロン常駐型(完全歩合制)
サロンに所属して施術を担当し、売上の40〜60%前後が報酬になるのが一般的です。
■例:客単価7,000円 × 1日4名 × 20日勤務 → 売上56万円 → 歩合50%なら28万円
- 面貸し(シェアサロン型)
サロンの席やスペースを借り、自分で集客したお客様を施術します。売上はすべて自分の収入となりますが、サロン使用料(家賃のようなもの)や材料費は自己負担です。
■例:客単価8,000円 × 1日4名 × 20日勤務 → 売上64万円 → サロン使用料10万円+材料費5万円を差し引くと実収入49万円
どちらの方式でも、経験や集客力によって収入は大きく変動します。多くの場合、安定性を求める人はサロン常駐型、自由度や利益率を重視する人は面貸し型を選ぶ傾向があります。
・初めて業務委託に挑戦する場合は、サロン常駐型+完全歩合制が安心。
・将来自宅サロンや独立を目指す人は、面貸し型や自宅サロン型で経験を積むのがおすすめです。
業務委託の応募から契約締結までのステップ
業務委託は契約内容で働き方が大きく変わります。以下の流れで確認を進めましょう。
- 情報収集・比較
■サロン常駐型:歩合率、最低出勤日数、集客支援の有無を確認。
■面貸し:席数・使用料(固定/時間貸し/売上連動)、光熱費や清掃費の扱い。
- エントリー・ポートフォリオ提出
■常駐型:技術試験の有無、得意メニューが客層と合うか。
■面貸し:自分のメニュー表・価格帯・予約導線(SNS/予約サイト)の提示。
- 見学・面談(技術チェック)
■常駐型:予約導線、指名制度、材料の標準化ルール。
■面貸し:持込材料の可否、備品共有ルール、保管スペース。
- 条件すり合わせ
■常駐型:歩合%、指名料の取り扱い、キャンセル時の負担、シフトの自由度。
■面貸し:使用料の計算方法、利用可能時間、延長料金、鍵の受け渡し。
- 契約書の確認
■常駐型:顧客情報の帰属、兼業可否、SNS掲載ポリシー。
■面貸し:原状回復、設備故障時の責任、保険加入条件。
- トライアル・契約締結・初期設定
■常駐型:清算サイクル(締日/振込)、予約システム権限、レジ操作。
■面貸し:決済手段(個人決済可否)、鍵/入退室管理、在庫搬入。
業務委託は、契約の内容次第で自由度も収入の安定性も大きく変わります。
流れに沿って比較・確認を行うことで、自分に合ったスタイルを見極めやすくなります。特に契約条件やトライアル段階での確認を丁寧に行うことが、後々のトラブル防止や安心して働くための大切なポイントです。
業務委託契約時に確認しておくべきこと

契約前に必ず書面で明文化し、口頭合意を残さないのが基本です。
- 報酬・費用
■常駐型:歩合率、指名料の配分、源泉徴収の有無、清算締日/振込日。
■面貸し:使用料(固定/時間/売上連動)、保証金、光熱費/消耗品/決済手数料の負担。
- 集客・予約・キャンセル
■常駐型:新規送客の割合、当日キャンセル時の負担、撮影協力の可否。
■面貸し:予約枠の確保方法、無断キャンセル対応、広告出稿の可否。
- 顧客情報の取り扱い・帰属
■常駐型:退店時の連絡可否、DM/LINE配信の権限。
■面貸し:顧客名簿は原則本人管理、店舗側の利用範囲。
- 価格・メニューの裁量
■常駐型:価格改定の手順、割引キャンペーン参加の義務/任意。
■面貸し:自由設定の範囲、店舗全体の価格帯との整合。
- 材料・備品・衛生
■常駐型:材料の支給範囲、持込可否、事故・アレルギー時の対応。
■面貸し:消耗品在庫の保管場所、施術台・ライト等の使用ルール、衛生基準。
- 兼業・競業避止
■常駐型:他店勤務・出張・自宅サロンの可否、範囲・期間。
■面貸し:同一エリア内の兼業制限、ブランド名の表記ルール。
- 保険・トラブル対応
■常駐型:施設側の保険適用範囲、施術事故時の責任分担。
■面貸し:個人賠償/事業保険の加入要件、器具破損の負担。
- 契約期間・更新・解約
■常駐型:更新の有無、途中解約の条件、違約金。
■面貸し:解約予告期間、原状回復の範囲、鍵・ロッカーの返却。
- 撮影・SNS・著作権
■常駐型:店内撮影可否、作品の著作権・掲載ルール、タグ指定。
■面貸し:店舗名併記の条件、商用利用の範囲、NGワード/画像。
ミニチェックリスト(持参すると安心)
・身分証/ポートフォリオ/メニュー表・価格/希望稼働日数・時間帯
・希望する契約方式(常駐/面貸し)/必要備品リスト/SNS・予約導線URL
・質問事項(歩合/使用料、顧客情報、キャンセル、保険、解約条件 など)
業務委託契約では、条件の曖昧さが後々のトラブルにつながることも少なくありません。事前に必要な書類や情報を整理し、質問事項をリスト化して持参すれば、面談や契約の場でも落ち着いて確認できます。
準備を丁寧にしておくことで、自分に合った働き方を選びやすくなり、安心してスタートを切ることができるのです。
業務委託ネイリストの求人・案件の探し方

業務委託ネイリストとして働くには、自分に合ったスタイルの案件を探すことが大切です。ここでは、代表的な探し方と、それぞれの働き方に合う求人の見つけ方を紹介します。
求人サイトを活用する
サロン常駐型を希望する場合に最も利用されるのが求人サイトです。リジョブやネイル専門の求人サイトでは、歩合率や勤務条件が明記されているため比較しやすく、未経験から応募できる案件も多く掲載されています。
SNSやマッチングアプリ
面貸し型の場合は、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSで募集されることもあります。「#ネイリスト募集」「#面貸しネイリスト」などのハッシュタグで検索すると、個人サロンや美容室からの情報を見つけやすいです。フリーランス向けの仕事マッチングアプリで案件が出ることもあります。
卒業生ネットワーク・紹介制度
ネイルスクールを卒業した人同士のネットワークや、提携サロンからの紹介を通じて案件を得る方法もあります。常駐型・面貸し型のどちらにも対応できるルートで、信頼性の高い案件が多いのが特徴です。
サロンへの直接アプローチ
特に面貸し型では、気になるサロンに直接問い合わせて「面貸しスペースの有無」を確認する方法も有効です。公式サイトに掲載されていない募集も多いため、自分からアプローチすることでチャンスが広がります。
業務委託に向いている人の特徴
業務委託は自由度が高い分、自己管理や責任も求められる働き方です。ここでは、どんな人が業務委託に向いているのか、サロン常駐型と面貸し型の違いも含めて見ていきましょう。

サロン常駐型に向いている人
- 安定感を求めつつ成果で収入を伸ばしたい人
サロンが集客をサポートしてくれるため、初心者でも挑戦しやすい環境です。歩合制で努力次第で収入アップも可能。
- 接客や施術に集中したい人
材料や予約システムはサロンが用意してくれる場合が多く、技術力を磨くことに専念できます。
- チームワークを大切にしたい人
他のネイリストやスタッフと協力して働くため、仲間と切磋琢磨しながら成長したい方に適しています。
面貸し(シェアサロン)型に向いている人
- 独立志向が強い人
自分で集客・顧客管理・メニュー設定を行うため、将来サロンを開業したい人にとっては実践経験になります。
- 自由度を最優先したい人
使用料さえ支払えば、働く時間や施術スタイルを自分で決められるため、完全に自分のペースで働けます。
- 自分のファンを育てたい人
リピーターを直接管理できるため、顧客との関係性を深めやすく、自分のブランドを築きやすい働き方です。
業務委託ネイリスについてよくある質問(FAQ)
A. サロン常駐型の場合は歩合制が一般的で、売上の40〜60%前後が取り分になります。
一方、面貸し型は売上がすべて自分の収入になりますが、サロン使用料や材料費を自己負担する必要があります。
A. 正社員は固定給や福利厚生があるため安定しています。業務委託は収入が変動しますが、その分やりがいと自由度が高く、頑張り次第で高収入も目指せます。
A. 技術や接客に即戦力性が求められるため、いきなり面貸し型に挑戦するのはハードルが高いです。
まずはサロン常駐型の業務委託や正社員・アルバイトで経験を積み、安定して施術できるようになってから挑戦するのがおすすめです。
A. 歩合率や使用料、キャンセル時の取り扱い、顧客情報の帰属、契約解除の条件は必ず確認しましょう。不明点はそのままにせず、事前に質問することが大切です。
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業務委託ネイリストとして成功するために大切なこと
業務委託ネイリストは、正社員やアルバイトにはない自由度と収入アップの可能性がある働き方です。
- サロン常駐型(完全歩合制)は、サロンの集客を活かしながら歩合で報酬を得られるため、安定と挑戦のバランスを取りたい人に向いています。
- 面貸し(シェアサロン型)は、自由度と利益率が高い一方で、集客や経営のすべてを自分で担う必要があるため、独立志向の人におすすめです。
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この記事の監修者
金子 実由喜